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魅惑の赤茶色(PR101)を集めてみた(種類多いので注意!)

質問箱で頂いたリクエストからの記事になります。透明水彩の赤茶色をまとめてみました。PR101という顔料になります。赤茶色は種類がとても多く、色もメーカーごとに違うので、整理に時間がかかりましたが、何とかまとまったと思います!ではどうぞ!!

赤茶色の顔料PR101

PR101は酸化鉄の色

赤茶色の顔料といえばPR101、酸化鉄になります。

顔料としての歴史はとても古く、先史時代の壁画にも使われていたということです。

かれは
かれは

歴史の古い顔料!
そのせいかレトロなイメージが
この色にはある…

酸化鉄の赤茶色は意外と身近な色で、自然界にも多く存在する色です。

赤茶色は、土や木の幹、レンガや屋根だけでなく、髪色や動物の毛の色、植物の茎など、あらゆるところで見かけます。なので、絵に使うことを考えても、PR101の赤茶色は1色くらい持っているととても便利です。

PR101の特徴

この酸化鉄のPR101の赤茶色の特徴は

  • とても着色力が強い
  • 不透明色
  • 耐光性が高い

だということです。

堅牢で、安定感のある色なのですが、色は渋いです。なので、PRという赤の顔料のカテゴリーに入っていますが、多くの人はこの色を「赤茶色」だと認識していると思います。

顔料は適度に柔らかく、水に溶けやすいです。少しの水でもすっと溶けて、色も濃いです。着色力が強く、後から拭き取ろうと思っても、色が紙に染み込んであまり色が取れません。

ただ、混色で、とても強い色が作ることができるという便利さもあります。

ひよこ
ひよこ

発色が強い色!

あとは、ほとんどの色で不透明です。といっても下の色を全て覆ってしまうほどではありませんが、上から色をのせると赤茶色の色が強く出ます。ただ、シュミンケホラダムやマイメリはPR101の透明色も出していて、透明色の赤茶色、不透明色の赤茶色の両方を販売しています。

PR101は様々な色合いがある

ただ、このPR101(酸化鉄)の顔料は、色の幅がある顔料のようでメーカーによっても色が違いますし、同じメーカーでも2〜3種類違う色の絵具があったりします。

今回同じ紙に、それぞれ別メーカーのPR101を塗ってみましたが、何と全て違う色でした。似たような色もありましたが、どの色も少しずつ違うので、種類分けするのは難しかったです。

ひよこ
ひよこ

全部違う色!?

かれは
かれは

なのでちょっと時間がかかりました💧

同じ赤茶色の中でも

オレンジっぽい赤茶色

赤っぽい赤茶色

紫っぽい赤茶色

透明感のある赤茶色

など、色々な種類があります。名前もそれぞれ違います。

この色は、「ベネチアンレッド」「ライトレッド」「インディアンレッド」「マルスレッド」「レッドオーカー」などという名前が付いていることが多いです。和名だと、「鉄赤」「鉄丹」という名前が付けられているようです。

メーカー別に集めたあと、大まかに色別に分類してみたいと思います。

単一顔料ではなく、混合顔料でも色が近いものは一緒にご紹介します。あとPR102も酸化鉄とのことなので、こちらも一緒に!

メーカー別赤茶色PR101

まずメーカー別にご紹介したいと思います。

ウィンザー&ニュートンの赤茶色

バーントシェンナPR101
ライトレッドPR102
ベネチアンレッドPR101
インディアンレッドPR101
キャプトモータムバイオレットPR101

ウィンザー&ニュートンの赤茶色(PR101)は全部で4色。同じ顔料でありながら、それぞれに個性のある4色で、とても分かりやすいです!

それに加えてPR102の赤茶色、ライトレッドもありましたので、こちらも一緒に。

まずバーントシェンナはこの中では一番オレンジがかった赤茶色となっています。バーントシェンナは他のメーカーではPBr7を採用していることも多いです。

ライトレッドはPR102ですが、色が似ているので、一緒に表に入れました。こちらはPR101よりも少し色がソフトで、明るめです。

ベネチアンレッドは、PR101の中では赤みの強い赤茶色です。この色が一番メジャーなようです。他メーカーでも似た色を扱っているところが多いです。また使い勝手も良さそうです。

インディアンレッドはベネチアンレッドよりも暗く、少し紫がかった色合いです。

キャプトモータムバイオレットはインディアンレッドよりもさらに暗く、紫がかっています。

ウィンザー&ニュートンの赤茶色(PR101)は粒子が粗めで力強い感じがしました。

ホルベインの赤茶色

ライトレッドPR101
インデアンレッドPR101

ホルベインの赤茶色は種類が少なく、2種類のみです。

ホルベインのライトレッドはオレンジよりなのですが、かなり色が鮮やかなのが特徴です。伸びも良いです。

インディアンレッドは少し紫がかった赤茶色で、ウィンザー&ニュートンのインディアンレッドと似ています。

ホルベインにはベネチアンレッドの色味がありません。個人的な趣味の話をすると、オレンジよりのライトレッドと赤紫っぽいインディアンレッドの中間の色味、赤みの強い赤茶色ベネチアンレッドの色味が1色あると嬉しいなあと思ってしまいます。

シュミンケホラダム

シュミンケホラダムのPR101赤茶色は逆に種類が多すぎて、かなり迷います。混合顔料の絵具もありましたが、色味がかなり近いので比較のために混ぜました。

トランスペアレントシエナPR101
イングリッシュベネチアンレッドPR101
バーントシェンナ(PR101,PBk9)PR101,PBk9
トランスペアレントアンバーPR101
インディアンレッド(PR101,PR206)PR101,PR206
シュミンケホラダムの赤茶色

トランスペアレントシエナ こちらは珍しいPR101の透明色。かなり透明感があって不思議な感じです。色はオレンジがかったタイプです。

バーントシェンナ ベネチアンレッドよりもややオレンジより。色も鈍いので、普通に茶色として使えそうです。こちらは単一顔料ではなく、PR101とPBr7の混合です。

イングリッシュヴェネチアンレッド こちらはかなり赤みが強く色も鮮やかです。色々売っている中で一番好きなPR101。とても滑らか。かれこれ15年ほどパレットに入って活躍してます。イギリスなのかベネチアなのか、この不思議なネーミングがツボです。

トランスペアレントブラウン こんな色味もあるんですね〜。ややくすんだ色ですが、インディアンレッドとも違うし、バーントシェンナとも違う色です。ヴェネチアンレッドよりもややオレンジよりかな。

インディアンレッド どちらかというとウィンザー&ニュートンのカプトモータムバイオレットを思わせる、暗く、紫がかった赤茶色。

シュミンケ

PR101以外にも茶色系の種類が多いシュミンケホラダムです。類似色がとにかく多いです。

クサカベ

クサカベのPR101は3色。明るめの色が揃います。

バーントシェンナPBr7,PR101
ライトレッドPR101
ベネチアンレッドPR101
クサカベのPR101

バーントシェンナは単一顔料ではなく、PBr7茶色の顔料との混合です。ややオレンジよりで色も渋め。赤茶色より、茶色という感じです。

ライトレッド 明るめで赤みの強い赤茶色です。ベネチアンレッドより少し明るくピンクっぽくて優しい色です。

ベネチアンレッド 明るめの赤茶色。ライトレッドとも似ていますが、より深みと渋みがあります。ウィンザー&ニュートンのベネチアンレッドと少し似ています。

マイメリ

トランスペアレントマルスレッドPR101
ベネチアンレッドPR101
マルスブラウンPR101
ポッツォリアースPR102
マイメリブルーのPR101

トランスペアレントマルスレッド こちらも珍しいPR101の透明色で、シュミンケホラダムのトランスペアレントシェンナと似たオレンジ系の赤茶色です。

ヴェネチアンレッド 一般的な赤みの強い赤茶色です。やや深みがあるタイプです。ウィンザー&ニュートンのベネチアンレッドと似ています。

ポッツォリアース PR102も酸化鉄の顔料のようです。こちらも珍しい、というかマイメリ独特のカラーだと思います。こちらはPR101よりも、着色力や色がマイルドな、優しい赤茶色。注目してます!

マルスブラウン こんな色もあるのね〜と感動。赤茶色と黒がうっすら分離する美しいPR101。やや紫がかった暗い褐色。使ってみたい個性的な色。

ドラゴンズブラッドは酸化鉄PR101ではありませんが、似たような色味なので参考までに並べてみました。

マイメリのPR101はどれも滑らかで塗りムラになりにくいです。色のバリエーションも多く、使ってみたい色がたくさんありました。

セヌリエ

ベネチアンレッドPR101
カプットモータムPR101
セヌリエのPR101

セヌリエのPR101はベネチアンレッドとカプットモータムです。

どちらもどっしりとした発色。

ベネチアンレッドは茶色ではなく、赤のコーナーにあるので探すときに注意。

深みのある濃い赤茶色で、濃く塗った部分がひたすら深みがあります。

カプットモータムはウィンザー&ニュートンのカプットモータムと同じような色ですが、セヌリエのは色が濃いですね。

ターナー

ベネティアンレッドPR101
トランスペアレントレッドオキサイドPR101
ライトレッド(PBr7,PR101)(PBr7,PR101)
インディアンレッドPR101
マースバイオレットPR101

ベネチアンレッドは5ml、15mlチューブ両方で存在する色、トランスペアレントレッドオキサイド、ライトレッド、インディアンレッド、マースバイオレットは15mlチューブのみです。

ベネチアンレッドは深みのある、赤みの強い赤茶色で、ウィンザー&ニュートンのベネチアンレッドに似ています。

トランスペアレントレッドオキサイドは、オレンジよりの赤茶色で、透明感のあります。

ライトレッドはややオレンジよりの赤茶色ですが、優しい色で、顔料は違いますが、ウィンザー&ニュートンのライトレッドと少し似ています。

インディアンレッドは、暗く赤紫がかった赤茶色。ウィンザー&ニュートンとホルベインのインディアンレッドと似ています。

マースバイオレットはさらに暗く紫よりで、ウィンザー&ニュートンのカプットモータムと似ていますが、よりくすんでいてグレーっぽいです。

色の傾向ごとにまとめたよ

色の系統でまとめてみることに。

主に、オレンジ系と赤系、くすんだ紫系、の3つの種類でさっくり分けて表にしようと思ったのですが、色が思ったのと違っていて大混乱!!(そしてドットシートの絵具が足りなくなってきた)

かれは
かれは

魂が抜けそうになったよ…

お疲れさん…

スキャナで取り込んでから、整理してみました。これでも今ひとつすっきりしませんが、こんな感じかなと…

オレンジ〜赤〜紫の順に並んでいます。

ベネチアンレッドは共通して赤みのある色味でした。ライトレッドはややオレンジで鮮やか、インディアンレッドはやや紫より、という共通点があるみたいでしたが、少しずつ色は違います。

こうして並べてみると、同じ色がないですよね。PR101の色幅の広さに驚かされます。

ひよこ
ひよこ

奥が深い!

赤茶色の顔料は他にもあります。マダーブラウンも似たような色味ですが、こちらは少し酸化鉄よりも固めの感触だったり、透明感があったり、性質が違います。

最後に

PR101は赤茶色といっても、そこまでガッツリ茶色でもなく、意外と鮮やかな色です。色を水で薄めると明るいベージュやピンクのようにも使うことができてとても使い出があります。

スタンダードな色味は、ベネチアンレッドという名前がついた絵具のようです。

とりあえずはウィンザー&ニュートンやターナーのベネチアンレッドがお手頃でいいかもしれません。

私は15年ほどシュミンケホラダムのイングリッシュベネチアンレッドを愛用しています(激推し)こちらは滑らかさと鮮やかさがとても絶妙なカラーです。今回色々塗ってみてやっぱり替えがたい色だなあ、と思いました。

この記事は以前募集した質問箱から頂いたリクエストをもとにしています。ずいぶん時間がかかってしまいましたが、リクエストしてくださったかたが読んでくださると嬉しいなと思います。