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ホルベイン透明水彩の色見本(全108色)おすすめ色も紹介!

2021年8月、ホルベイン透明水彩の全色セットを購入したので、ついに色見本と全色レビューを実現させることができました!今までずっと全色試す機会はなかったのですが、全色レビューと色見本を作ることができたのは本当に嬉しいです。おすすめ色も入れたので、誰かのお役に立てれば嬉しいです。

全色レビューが実現した経緯

今まで、ウィンザー&ニュートン、シュミンケホラダム、セヌリエ、マイメリ、クサカベの全色色見本と紹介記事を書いてきました。

ホルベインの全色色見本記事も書きたい!」とはずっと思っていました。

ホルベイン透明水彩といえば日本国内で一番取り扱いが多い透明水彩絵具。やっぱり愛用者も多いです。

ですが、ホルベインはドットシートの販売がないので、色見本を作るためには全色揃える以外の選択肢が思いつかなかったのですが、全色買うのは、かなり勇気がいる(もうすでに絵具は十分持っているし…これ以上増やしてどうするんだという気持ちもあり…)

思いきりがつかずアンケートを取ることに。

かれは
かれは

あんまり反応が少なかったら、
やめようかな、と思っていました。

ひよこ
ひよこ

ドッキドキだね

皆様に後押ししていただき…

購入することにしました!(ちょうど誕生日だった)

Amazonで購入したのですが、かなり割引されていたので、定価よりはかなり安かったですね。ご興味ある方はこちら…↓

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そして注文した次の日には届きました!早っ!!

絵具の全色セットなんてはじめてなので、すごくドキドキしました。真っ赤な蓋を開けると…

入っていました!!108色の絵具!!すごいですよね。

わあ、すごい❗️

思えば、とホルベイン絵具はとってもメジャーなメーカーなのに、40色くらいしか使ったことがないのです。なので、かなり多くの色が初めてお目にかかる色!そして、SNSやメイキングでもよく話題になる色ってごく一部の色。同じような色ばかりが話題になるので、意外と名前を聞かない色も。

かれは
かれは

あれれ、こんな色もあったんだっけ?

ドットシートと違って、量がたっぷりあるため、色々な混色を試したり、作例を描いたり、色々なアプローチができそうです。可能性が広がる。

とても楽しみです。

ホルベインの全色パレット作ってみた

古いパレットを洗って、1色ずつ出して行きます。

名前は分からなくなりそうだったので、パレットに油性ペンで書きました。日本語で書けばよかったです。

これでホルベイン全色パレットが完成!我ながら圧巻です。

1色ずつ塗っていき、色見本を完成させました。全く使ったことのない色もあったので、とても面白かったです。

そこで感じたホルベイン透明水彩の特徴を書いていこうと思います。

ホルベイン透明水彩の特徴

混合色+単一顔料は半々くらい

わりと混合色が多いメーカーかと思っていましたが、108色中50色が単一顔料ということで半々くらいの割合でした。セヌリエと同じくらいですね。

単一顔料が混合顔料より優れているということではないのですが、単純に絵具の特徴を理解しやすいのは単一顔料です。逆に、混合顔料は、メーカーの個性が現れやすいです。

ホルベインは、個性的な混合顔料がとても多く、中には絶妙過ぎて「傑作色!」と思わず言いたくなるような使いやすい色があったりします。他メーカーで見かけないような色域の絵具も多いです。パステルカラーだけでなく、渋い色の混合色もなかなか捨てがたいです。また、混合色なのに、びっくりするほど鮮やかな色もあります。

シュミンケホラダムやマイメリなどと比べてしまうと、ちょっと種類が少ない色(黄色やオレンジ、茶色など)もありますが、その代わり絵を描くのに便利な色も多いです。

ホルベインは、意外と個性のあるラインナップだと思いました。

固さは普通、くせがない

絵具はちょうど良い柔らかさで、特にくせがありません。初心者にも使いやすいかと思います。

他のメーカーだと色によって硬いものがあったりすることがあるのですが、ホルベインの絵具はどの色も溶けやすく工夫されていて、塗りやすさがありました。

厚塗りすると少しツヤが出ます。これはもしかしたら好みが分かれる部分かもしれません。

発色はやや強め

発色はやや強めでしっかりしています。ホルベインは価格が安いために、発色や色の鮮やかさはどうなんだろうと思われる方もいるようなのですが、色の鮮やかさや発色はむしろ良好です。

海外高級メーカーと遜色ありません。(じゃあ何が価格の差に現れているのかというと、滑らかさや濃度、粒子の細かさ、色の種類の豊富さ(顔料のバリエーション)に差があるかなと。)

基本的な色の発色や鮮やかさは、ホルベインのものでも全く問題がなく、むしろ価格が安い分、お得感があります。

上は、同じPV19の絵具を色々なメーカーで横並びにしてみましたが、色合いも鮮やかさも伸びの良さもほとんど同じです。私もメーカー名を外してしまえば、見分ける自信はありません。

なので、基本的な色であればあるほど、ホルベインの絵具はコスパがよい!と自信を持って言えます。

ひよこ
ひよこ

コスパのよいホルベイン!

ホルベイン全色色見本の見方

今回の記事は色見本だけでなく、すべての色に顔料情報と注釈をつけているので、エグいほどに長いです。ご了承ください。

一気に読まずに、必要なところだけ、拾い読みしていただければと思います。

(ホルベインのカタログでは、顔料表記が絵具名表記と遠く、読み取りづらいので、自分が確認しやすいようこの形をとってます。)

かれは
かれは

本当に長くなっちゃた!
ごめんなさい。

色の順番はカタログ掲載の順番にしています。

あとは基本の色としておすすめの色(他メーカーでも定番の色&混色のとき大事な役割を果たす色)に★マークをつけています。詳しい記事がある顔料は、リンクも挟みこみました。

白が混ざった色は「パステルカラー」と注釈を入れています。

ホルベインの赤

赤系

W010クリムソンレーキ(PR177,122,PV19) 何気に珍しいくすんだ赤紫の色味。実際は画像よりも少し青みがあります。ダークレッドの部類だと思いますが、意外と見かけない珍しい色です。基本の赤としては色が渋いですが、自然のものを描くときに重宝します。12色セットにも入っている色。

W009パーマネントアリザリンクリムソン(PV19,PBr25)★ W005キナクリドンレッドの色が基本ですが、その色を少し落ち着いた色調にした赤。落ち着いた赤が好きならこちらも使いやすそうです。伸びがよく透明感があります。

W011カーマイン(PR83) 少し落ち着いた色調の赤。ローズマダーと似ていますが、こちらの方が発色よかったです。

W012ローズマダー(PR83) 少し落ち着いたの赤。色味が強すぎないので、混色や重ね塗りにもよいです。

W005キナクリドンレッド(PV19)★ 基本の赤として最適。色は鮮やかで伸びもよく、透明感があります。定番の顔料です。黄色との混色も青との混色も得意。薄めてピンクも作りやすい、まさに万能プレイヤー。PV19の記事

W006ピロールルビン(PR264)★ 落ち着いた赤が好きならこの赤を基本色にするのもおすすめです。発色強め。

W008ペリレンマルーン(PR179) 血液のようなくすんだ赤。ペリレンシリーズは独特の渋みと発色の強さ、耐光性にも優れています。

W007ピロールレッド(PR254)★ 眩しいほどの真っ赤。とにかく真っ赤を探している、という方におすすめ。驚くほど鮮やかです。定番の顔料。

W027キナクリドンスカーレット(PR209) かなり透明感が強い、鮮やかな赤。というよりピンクを表現するのに最適な色。かわいい色が好きな人におすすめ。

W022スカーレットレーキ(PO73,PR254,PV19) こちらも透明感があり、明るい赤。赤として使うには色が明るすぎるので、薄めてピンクとして使うのがよさそうです。

ピンク系

W013オペラ(キナクリドンオペラ)(BV10,PR122) 蛍光顔料+キナクリドンマゼンタで作られた、鮮やかなピンク。耐光性は高くないので、展示や販売する作品への使用には注意が必要です。他の色が作れないような色(特に紫系の色)が作れる特別な色。オペラの記事

W025ブリリアントピンク(PR209,PW6) キナクリドン系の顔料+白のパステルカラー。ピンク色。

W026シェルピンク(PO73,PW6) オレンジ顔料+白のパステルカラーオレンジがかったピンク。かなり淡いです。キャラクターイラストの肌の赤みに使う人も。

[カドミウム系の赤]

ここからカドミウム系の赤がまとまっていますが、カドミウム系の赤は、不透明、発色強い、色が鮮やか、滑らかという特徴があります。

W017カドミウムレッド パープル(PR108) カドミウムレッドの中では一番濃く、深みのある赤。

W015カドミウムレッドディープ(PR108) 不透明で、発色の強い赤。色は真っ赤に近い。ムラなく塗りやすくおすすめの赤です。

W014カドミウムレッドライト(PO20,PR108) ★不透明で発色の強い朱色。こちらは少しオレンジがかった色。塗りやすく、汎用性の高い色で初心者にもおすすめです。カドミウムイエローとの相性がすこぶるよく、鮮やかなオレンジを作れます。

W018バーミリオン(P020,PR108) こちらは、バーミリオンの色ではなく、カドミウムレッド+カドミウムオレンジの色味。こちらも使いやすく、発色も強め、色も鮮やかです。PO20 PR108

オレンジ系

W019バーミリオンヒュー(PO73,PR254,PY110)★ バーミリオンよりも少し透明感があり、発色も控えめ。12色セットに入っている色。

W016カドミウムレッドオレンジ(PO20) カドミウムレッドとカドミウムオレンジの混合のレッドオレンジ。やはり不透明で発色が強く滑らかです。色はかなり鮮やかです。

W047ブリリアントオレンジ(PO73,PO62)★ オレンジ系の顔料が2種混ぜられています。鮮やかで少し透明感があります。色々あるオレンジ絵具の中でもクセがなく、私は割とお気に入りです。

基本の赤絵具
  • 赤の基本色はキナクリドンレッド(三原色とも近く、作れる色の幅が広く発色に優れる)
  • ちょっと渋いのがよければ、パーマネントアリザリンクリムソンやピロールルビンもおすすめ。
  • 鮮やかな真っ赤が好きならピロールレッド(混色だと色の彩度が落ちやすい)
  • 鮮やかな紫を作るなら彩度の高いオペラ(耐光性はやや低め)
  • それ以外にカドミウムレッドライトやバーミリオン系の朱色系レッドも便利

ホルベインの黄色、オレンジ系

オレンジ

W038パーマネントイエローオレンジ(PY74,83,PO73) みかんのようなオレンジ色。耐光性の高いオレンジや黄色の顔料で作られている。

W044カドミウムイエローオレンジ(PO20) マットな感じの鮮やかなオレンジ。不透明で発色が強く、かなり鮮やか。

[カドミウム系イエロー]

ここからはカドミウムイエローが続きます。カドミウムイエローは今では数少ない有毒な絵具ですが、強い発色、鮮やかな色調、不透明性、滑らかさなど、他の黄色にはない際立った特徴があり唯一無二の黄色といえます。黄色は混色で、他の色に負けやすい色ですが、カドミウムイエローは強い色味で混色でも色が強く出てはっきりした色を生み出します。

W043カドミウムイエローディープ(PO20,PY35) オレンジ寄りの暖かい黄色、カドミウムイエローとカドミウムオレンジの混合。不透明で発色の強い色。

W042カドミウムイエローライト(PY35) 不透明で発色の強い黄色。色合いはちょうど真っ黄色で使いやすい色味。とても鮮やか。

W041カドミウムイエローペール(PY35) 不透明で発色が強い黄色。色はカドミウムイエローライトより少しレモンより。爽やかな黄色。

W040カドミウムイエローレモン(PY35) 不透明で発色が強く、とても鮮やか。色はレモン色。最も鮮やかな混色ができる。

イミダゾロンイエロー

W051イミダゾロンレモン(PY175) 鮮やかなレモン色。三原色にも指定されている。さっぱりした色合い。カドミウム系の黄色は避けたい人にはこちらがおすすめ。

W050イミダゾロンイエロー(PY154) 鮮やかな黄色。発色はカドミウム系にはやや負けるが、ほどよく使いやすい。カドミウム系の黄色を避けたい人にはこちらがおすすめ。

山吹色

W048ガンボージノーバ(PY154,150) 透明感がある、ややオレンジ寄りの黄色。塗りムラは出来やすいが、重ね塗りに向きそう。

W142キナクリドンゴールド(PO48,PY150) 人気色。濃く塗ると山吹色、薄めるとクリーム色。透明感があり、混色や重ね塗りにも向きます。

W049イソインドリノンイエローディープ(PY110) イエローオレンジの透明色。

パーマネントイエロー

W037パーマネントイエローディープ(PY74,83) あまり色は強くない。ちょっと塗りムラが出来がち。山吹色。価格が安い。

W036パーマネントイエローライト(PY74,83) あまり色は強くない。ちょっと塗りムラが出来がち。12色セットに入っている。価格が安い。

W035パーマネントイエローレモン(PY3,83) 発色控えめのレモン。価格が安い。


W039オーレオリン(PY154,175,150) 透明感が強い3つの黄色顔料の混合。透明感はあるが、塗りムラはできがち。

黄色パステルカラー

W033レモンイエロー(PW3,PW6) レモンイエローのパステルカラー。かなり色が淡いので、混色にはイミダゾロンレモンか、カドミウムイエローレモンの方がおすすめ。

W030ネイプルスイエロー(PY35,42,PW6) カドミウムイエロー、イエローオーカーのパステルカラー。まろやかで優しい発色。

W031ジョーンブリヤンNo.1(PO20,PY35,PW6) カドミウムイエロー、カドミウムオレンジのパステルカラー。No.2より色が淡く、やや黄色がかっている。肌色として使う人もいます。

W032ジョーンブリヤンNo.2(PO20,PW6) カドミウムオレンジのパステルカラー。こちらも肌色として使う人もいます。肌色系パステルカラーの中では黄色よりの色。

黄色絵具の選び方

あくまで発色重視なら、カドミウムシリーズ(ただし有毒)

パーマネントシリーズはエコノミーですが、発色はそこまで強くないので重ね塗り向き。

バランスがいいけど価格が高いのがイミダゾロン系。

って感じ。私はカドミウムシリーズを愛用してます

ホルベインの緑

混合系グリーン

W046 グリニッシュイエロー(PY150,PG7,PBr25)グリーンゴールドみたいな黄色。透明感がある。

W074 オリーブグリーン(PY150,PG7.PBr25)★ホルベインの傑作(私見)独特の渋みと黄色味が意外と使いやすい。単色でも美しいです。

W077 リーフグリーン(PY154,PG7) かなり黄色よりで、鮮やかな黄緑。ありそうでない珍しい黄緑です。発色はやや弱め。

W066 パーマネントグリーンNo.1(PY3,53,PG7) 人工的な感じがする鮮やかな黄緑。12色セットに入っています。

W067 パーマネントグリーンNo.2(PY74,53,PG7) パーマネントグリーンNo.1より青より。

W070 カドミウムグリーディープ(PY35,PG7,PG18) カドミウムイエローと緑の混合色。

W069 カドミウムグリーンペール(PY35,PG18) カドミウムイエローと緑の混合色。

W062 フーカスグリーン(PG7,PY110,150)★ 少しだけ渋い、ニュートラルなグリーン。使いやすい色味。このサイトではビリジャンヒューを基本の緑としておすすめしてますが、混色苦手、ビリジャンヒューの鮮やかさが気に入らない、という場合はこちらのフーカスグリーンを基本の緑としてもいいと思います。

単一顔料グリーン

W078バンブーグリーン(PG36)★ フタログリーンの一種。ビリジャンヒューと並んで、緑の基本色の1つ。ビリジャンヒューPG7より、ややマイルド。

W063コバルトグリーン(PG18,PB28,PW6) パステルカラー。コバルトグリーンのの単一顔料ではなく、コバルトブルーとの混合色。似せて作られた色でした。

W060ビリジャン(PG18)粒状化する白っぽい青緑。発色は弱め。

W061ビリジャンヒュー(PG7)★ 緑の基本色。ほとんどの黄緑がこの色を使って作られている。めちゃめちゃ良い仕事します。粒子が細かく、透明感があり、色は鮮やかすぎて困るほど。。基本的に何かと混ぜて使います。ビリジャンヒューはこのサイトではフタログリーンと呼んでいます。フタログリーンの記事はこちら。

グリーンのパステルカラー

W064エメラルドグリーンノーバ(PY3,PG7,PW6) 黄緑色のパステルカラー。

W071コンポーズグリーン(PY3,PG7,PW6) 黄緑色のパステルカラー。かなり色が淡い。

渋いグリーン

W075サップグリーン(PY150,PG7,PR122)★ ホルベインの傑作色(私見)程よい渋みを持った黄緑。自然な葉の色に近く、そのままでもまとまりやすい便利色。

W065テールベルト(PG23,17)  淡く渋いグリーン。一般的なテールベルトに比べると発色強め。

W152グリーングレイ(PG17,23,PBk6)  独特のグリーングレー。ミリタリーな感じのグリーン。

W079シャドーグリーン(PBk31) 緑というより、どちらかというとグレーの一種。中身はペリレングリーン。かなり暗く深い色。影色や、鮮やかな緑や青のトーンを落とす色としても便利。

緑の選び方

ビリジャンヒューかバンブーグリーン(どちらもフタログリーン)が基本の色としておすすめ。彩度が一番高いので、混色してどんな緑でも作れる。

その他に、便利に整えられた、渋みのあるグリーンや黄緑などをサブに置く感じにすると使いやすい。

ホルベインの青

水色系ブルー

W108フタロブルーレッドシェード(PB15)★ 定番中の定番。粒子が細かく、鮮やかで透明感がある青。

W107フタロブルーイエローシェード(PB15)★ 定番中の定番。粒子が細かく、鮮やかで透明感がある。売られている青の中でも特に鮮やかで、混色でも濁りにくい。三原色の青に一番近い色。

フタロブルーは、色も鮮やかですが、発色が強すぎるクセのある顔料です。フタロブルーの記事

W102マリンブルー(PB16,PG7) カタログでは、PB16とPG7の混合になっていたが、チューブの表示はPB16だったので、色見本はPB16の色。青緑の色調。顔料が変更されたようなので、これから手に入るのはPB16、PG7の混合色になりそうです。(予想ですが、より鮮やかな色調になっているのではないかと思う)人気色。

W099ターコイズブルー(PG7,PB15,PW6) 人気のターコイズ色だけど、コバルト顔料のものではなく、粒子の細かいフタロシアニン顔料の混合。コバルトターコイズの色が好きだけど、粒子が荒いのが好きじゃない、という人におすすめ。彩度は少し落ちるが、悪くない色味。

W106コバルトターコイズライト(PB28) こちらはコバルト系のターコイズ色。シュミンケホラダムやマイメリのものよりも青寄りの色。かなり粒子が荒いが、色は鮮やか。

W101ピーコックブルー(PG7,PB15,)★ ホルベインの傑作色。フタロブルーイエローシェードと似た色。なぜかこの色は単一顔料のフタロブルーイエローシェードよりも色が鮮やか。謎色。粒子が細かく透明感があります。色も濃すぎなくて使いやすいです。ほんとおすすめ。ピーコックブルー の記事

W105マンガニーズブルーノーバ(PB15) こちらも人気色。フタロブルーイエロシェードやピーコックブルーの類似色ではありますが、もっと色が淡いです。濃く塗っても、水色なのが使いやすいポイント。こちらも人気色。

青のパステルカラー

W104ホリゾンブルー(PB15,PG7,PW6) フタロブルーとフタログリーンのパステルカラー

W095バヂターブルー(PB28,PW6) コバルトブルーのパステルカラー

W096コンポーズブルー(PB15,PW6) フタロブルーのパステルカラー

W092セルリアンブルー(PB35) クラシックな空色。粒子がかなり荒い色です。他の色と混色はできない(分離する)こちらも白が入っているわけではないが、パステルカラー。こちらは「ザ、空色」

深みのブルー

W090コバルトブルー(PB28)★ 澄んだ青。やや粒子が荒い。コバルト系独特の不透明感がある。色は深みがなくあくまで明るく爽やかな青。

W091コバルトブルーヒュー(PB29,15) コバルト関係ない。こちらもなかなか優れもので、色相はコバルトブルーというよりフタロブルーレッドシェードに近いのですが、なぜかフタロブルーレッドシェードよりも鮮やかな色。ミステリー。12色セットに入っています。

W093ウルトラマリン ライト(PB29)★ ウルトラマリンは基本色のひとつ。2種類ありますが、ウルトラマリンライトは色が少し明るいです。やや粒子は粗め。

W094ウルトラマリン ディープ(PB29)★ ウルトラマリンは基本色のひとつ。ウルトラマリンライトよりも色に深みがあり、粒子もかなり荒いです。色も少しだけ、紫がかっています。他の色と混ぜると分離しやすいです。 ウルトラマリンを比較した記事

W097プルシャンブルー(PB27)★ こちらも定番色。深みのある冷たい青で、独特の渋みがあります。淡く塗った時と濃く塗った時の色の差が激しく、個性的なブルーです。着色力が強すぎるので、使うのが少し難しいですが、透明水彩ならではの色なので、おすすめです。プルシャンブルーの記事

W103ロイヤルブルー(PB60)★ こちらも定番色。他メーカーではインダンスレンブルーという名前がついていることが多いので、こちらのサイトではその名前で読んでいることが多いです。暗く渋みのある青で、いわゆる紺色です。滑らかで、溶けやすく塗りやすさもあります。チューブから出したそのままの色でも魅力があり、同じ色をメーカー違いで揃える人も。インダンスレンブルーの記事

W098インジゴ(PB15,PBk6,PR122)★ 青というより暗いグレー。かなり彩度が低く、深みのある濃い色です。持っているととても便利です。インディゴの記事

ホルベインの紫

W116ラベンダー(PV15,PB29,PW6) ウルトラマリンバイオレットとウルトラマリン をベースにしたパステルカラー。キャラクターの肌色のアクセントに使う人も多いです。ホルベインのパステルカラーの中でもよく話題にのぼる色です。

W115パーマネントバイオレット(PV23)★ 定番の紫色。とても鮮やかな紫色。紫色の絵具が欲しいと思ったら、まずはこの色をおすすめ。

W112ミネラルバイオレット(PB29,PR122,PBr25) 渋みのある深い紫。案外見かけない色ですが、絵の中に使ってみたら絶妙に使いやすい色で気に入りました。特に人物と相性がいい色です。

W110コバルトバイオレットライト(PV47)コバルト系の単一顔料。もともとの顔料が淡い紫色。とても魅力的な色なのですが、色味がちょっと弱め(顔料の特性)で粒子もやや荒いです。中々混色でこの色は作れないので、お花を描いたりすることが多い人にはおすすめしたいです。

W117ライラック(PR122,PV23,PW6) 紫のパステルカラー。コバルトバイオレットライトの類似色。あくまで推測ですが、コバルトバイオレットライトと同じような色を、粒子が少なく滑らかに塗れる顔料で作ったのかな、と。このあたりの紫の色は海外メーカーではほとんど見かけない色で、日本のメーカーが得意な色域です。こちらも人気色。

蛍光カラー

W175ブライトバイオレット(ルミナス)(BV7,15) ルミナス、と書かれたこの2色の色は、蛍光顔料のみで作られているみたいなので、耐光性はかなり低そうな感じがします。(キナクリドンオペラの方は思ったより、日の光に耐えます)ただ、かなり彩度は高いです。展示、販売しなければ特に問題ないので、すごく鮮やかな紫やピンクを求める人はおすすめです。

W170ブライトローズ(ルミナス)(BV11,AB83) こちらも蛍光顔料で作られているみたいなので、かなり耐光性に不安があります。キナクリドンオペラとも色が似ていますが、より紫よりです。

赤紫、ピンク

W119キナクリドンマゼンタ(PR122)★ こちらは鮮やかな赤紫とピンクを表現するために重要な色です。混色には欠かせない色になります。こちらは、オペラやブライトローズと比べてしまうと、やや彩度は低いですが、耐光性はバッチリなので、ピンクを表現する時にはこの絵具も便利です。オペラにもこの色が含まれています。キナクリドンマゼンタの記事

W120キナクリドンバイオレット(PV19)こちらもわりと定番な赤紫色。滑らかで透明感があり、発色も良いです。

W113マースバイオレット(PR101,PV23,PBr7) ちょっと変わった暗色です。キャプトモータムバイオレットに似ているのですが、もっともっと暗い色です。茶色の代わりにも使え、影色やベース色にも。何かと使える便利色です。ちょっと珍しい色です。人気色!

紫の選び方

紫は混色で作るのが難しい色。鮮やかな紫が欲しいなら、基本はパーマネントバイオレット。

キナクリドンマゼンタは、ピンクや紫を作る色として活躍します。

パステルカラーではラベンダーが圧倒的人気。

ホルベインの茶色、黒

赤茶色

W135インデアンレッド(PR101)★くすんだ赤紫系の赤茶色。力強い発色。自然のものにもこういった赤茶色のものは多く、何かと活躍します。ライトレッドとインデアンレッドのどちらか、パレットにあると便利。赤茶色の記事(比較あり)

W141イミダゾロンブラウン(PBr25) 赤茶色ですが、インデアンレッドやライトレッドに比べ透明感があります。

W130ライトレッド(PR101)★明るめのオレンジがかった赤茶色。発色が強め、色は鮮やか

W134バーントシェンナ(PBr7) よりオレンジがかった茶色。赤茶系は1つあると便利。

ベーシックな茶色

W133バーントアンバー(PBr7)★ 定番の茶色。ホルベインのバーントアンバーは少し塗りムラができ、粒子感がある。色はやや明るめ。いわゆる茶色で、基本色の一つ。バーントアンバーの比較記事

黄土色

W131ローアンバー(PBr7,PY42) 顔料変更。オレンジが買った黄土色。優しい色合い。少し塗りムラでき、粒子が荒い。

W132ローシェンナ(PBr7,PY42) 以前はPY43の顔料だったが、変更になったようです。黄土色、イエローオーカーよりも透明感がある。

W034イエローオーカー(PY42)★ 定番の黄土色。地味だけど欠かせない色。下地や混色に活躍。イエローオーカーはとてもいい仕事をするのでぜひ、パレットに入れておきたい。使い方がよく分からない、という人はぜひ読んでみてください。イエローオーカー の記事

W151イエローグレイ(PY42,PBk6,PW6) 珍しい、くすんだ黄色系のグレー、金属や木材を思わせる色。この色が固有色のものは多いので、使い出はありそうです。何気に便利色。

W129アンバー(PBr7) くすんだ褐色。粒子は粗めで塗りムラはできがちだけど、落ち着いた色味で美しい。

焦げ茶色

W139バンダイキブラウン(NBr8) やや透明感がある茶色。粒子が荒めの力強い色です。バーントアンバーと比べると落ち着いた感じの茶色。

W136セピア(PBr7,PBk6) 滑らかで発色が強い焦げ茶色。渋すぎず、深みのあるなかなか良い色です。ホルベインの茶色の中では一番お気に入りです。

W138アイボリブラック(PBk9) ★ 黒は3種類。アイボリーブラックは、あまり濃くなく、赤よりの黒。やや粒子が荒い感じ。

W140ランプブラック(PBk6)★3つの黒の中で一番濃く、滑らかな黒。個人的には混色に向くと思った。グレーやインディゴのような色を作る時に使われている。

W137ピーチブラック(PBk1) ニュートラルな感じの癖のない黒。

グレー

W156ペインズグレイ(PBk6,PB15,PR122)★ 青がかったグレー。黒の代わりに使うのにもおすすめ。

W175ニュートラルチント(PBk6,PB15,PR19)★ 紫がかったグレー。この色も何ともいえない美しさがあります。紫といっても青紫がかった色です。

W153グレイオブグレイ(PBk6,PW6) 何だろう?この色?と思ったのですが、何気に使えます。色を少し弱めたい時、不透明感を出したい時、マットにしたい時などに使えます。白の代わりに混ぜてみるといい感じです。

W155デービスグレイ(PBk7,PBk6,PW6) 初めて使った色ですが、気に入ってしまいました。これは来年のパレットに入れたいな。人物画と相性が良さそうな色です。ずっとこんな感じの色があったら良いなと思って探していました。…カタログの色とは違い、意外と明るい色です。

白は2種類。色見本には載せていませんが、チャイニーズホワイトは半透明、チタニウムホワイトは不透明、となっています。が、どちらもそこまで隠蔽力はなく、混色用という感じです。

W002チャイニーズホワイト(PW6)

W003チタニウムホワイト(オペークホワイト)(PW6)

メタリック

こちらも色見本に載せていません。ゴールドもシルバーも、あまり濃さはありません。

W190ゴールド(PW20)

W191シルバー(PW20)

最後に

1万3000字をオーバーしました!もっとコンパクトにするつもりだったのに…

説明書きが多くなりすぎて、かえって見辛くなってしまったかもしれません。

備忘録も兼ねているため、こんな感じになりました。

透明水彩はじめようとなったとき、ホルベインは誰もが最初にお世話になるブランドだと思います。ですが、ドットカードの販売などは今のところないので、全色色見本はなかなか見かけないと思います。今回、実現できてとてもよかったです。満足しました。自分では買わないけど、人気の色についても、どんな感じが分かったので、とても有意義でした!

しばらく絵具は買わなくてすみそうです(爆)

12色セットを買ってみようかな?と思う方はこちらもチェックしてみてください。ホルベインの12色セットはややクセがあるので、絵のジャンルによっては単品買いがいいかもしれません。

単品買いしたい方はこちらもおすすめです。とりあえずの必須色を選んでいます。あとは少しずつ買い足しでもいいと思います。

あとは12色セットと18色セットの比較や、単色のレビュー、パステルカラーについてなどをまとめていきたいと思っています。