名村大成堂の特選東紅と雅心東紅という筆をご紹介します。いう筆を買ってみました。とても良い買い物だったので、ご紹介します。
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東紅とは?
使いやすい筆を探して
使いやすい筆を探し続けてはや4年。ブログを始めた当初は、安めのナイロン筆を愛用していて、あまり筆のことも知りませんでした。その後ブログで紹介するために、積極的に情報収集をして、たくさんの筆を購入して、使ってきました。

そこで分かったことは、「筆によってかなり違う!できる技法やできる塗り方そのものが違う」ということでした。
特に価格が高めの獣毛筆はかなり性能が違います。
今まで水彩では難しいと思っていた、重ね塗りの技法やムラなく塗る、少しずつ色を変化させながら塗る、細部の塗りなど、1本の筆で全部できてしまうものもありました。
東紅との出会い
東紅シリーズは名村大成堂の日本画の筆です。
水彩画の筆は、細長いシュッとした形をしているのですが、日本画用の筆は根元がぷっくりした短い形のものが多い感じがします。最初は日本画の筆を水彩に使うという発想がなかったのですが、技法的には似たようなものを多く、使えそうと確信しました。
名村大成堂のポストがきっかけで、出会ったのが特選東紅でした。
一目見て使いやすそう!と思ったのですが、やはり期待を裏切らない筆でした。自力では絶対に出会わない筆だったので(場所も日本画コーナーにありました)SNSでの紹介が本当にありがたかったです。
以後、この東紅にめちゃめちゃハマってしまいまして。
気づくと東紅ばかり使っています!
とっても気になる✨
傷むたびに何度も何度もリピートし、買い置きまでする始末。ここ3年はほぼ東紅をメインにして使っています。すっかり愛用の筆となりました。
今回はこの東紅をたっぷりご紹介したいと思います。
東紅には特選東紅と、雅心東紅の2種類があるので、こちらの比較もしていきたいですね。
東紅シリーズ共通の特徴
東紅の素材
特選東紅も雅心東紅も筆の素材は同じです。
どちらも芯がイタチ。周りを覆っている外毛が羊毛となっています。芯がイタチであることで、芯がしっかりしていて、コントロール性が抜群です。これが羊毛オンリーの筆だと、柔らかすぎて、フニャッとしてしまい、コントロールがすごく難しくなります。周りが羊毛なので、保水力もあるし、先端がきれいに揃ってシャープです。細部の描写にも最適。
つまり!イタチと羊のいいところどりしたハイブリットな筆なのです。
いいところどりした筆!
なので、持ち替えせずに色々な塗り方ができるのです。これを使うようになってから、すごく表現の幅が広がったと思います。
東紅の特徴
①コントロールしやすい
②保水力がある
③柔らかさがあり、下に塗った絵具を削りにくい
④先端の揃いがよく、細くまとまるため、細部描写がしやすい
⑤穂先が長すぎず、しなりやすいため、微妙な塗り方ができる

芯はしなやかなイタチ、周りを柔らかい羊毛が覆っているそうです。
私が購入したのは中サイズです。

先が細くなっているので、細い線描や、先端が細い形を塗ったりするのにも良さそう。イタチオンリーの筆よりも、毛先がビシっと揃っている印象です。毛先がきれいに揃うのは羊毛らしいですが、柔らかすぎて弾力に欠けるし、イタチは弾力と保水に優れますが、そこまで毛先が細く揃わないので、東紅はまさにいいとこ取りしたような筆に見えました。
東紅の注意点
使う前にしっかりほぐす
東紅は使う前に、しっかり筆下ろしをした方がいいです。というのも、しっかり根元がほぐしきっていない状態で、しばらく使っていたので、「あれ?根元が硬い」と思っていたのですが、しっかりほぐしたあとは全く別の筆になりました(笑)

根元までしっかり浸水させたあとに、絵具も筆の奥の方までじっくり含ませてみると、とても絵具を吸います。しっかりほぐれると、とても柔らかい筆になります。これでとても使いやすい筆に!
使うたびに馴染んできて、塗りやすくなっていきます。
摩耗する
東紅をヘビーユースしていたところ、徐々に細かい部分が描けなくなってきて「あれ?」と思っていたらかなり先端が削れてしまっていました。
筆の先端の細くなっている部分が丸々なくなっていて、細かい塗りができなくなっています。

キャンバスで使う場合やこすりつけるような塗り方をするときは特に摩耗が激しくなるそうです。
ヘビーユースする方はそのあたりが注意が必要です。
ややコントロールが難しい
東紅には羊毛が多く使われていて独特の柔らかさがあります。ナイロン筆に比べるとコントロールが難しいという面があります。
また細めの筆に慣れている人にとっては、「水含みがよすぎる」のもコントロールが難しいと感じる要因のようです。ただ、かなり細かい微調整をして、繊細な塗りができる筆なんですけどね。
初心者向きというより中級者向きの筆かもしれません。
この筆に関しては相性があるかもしれません。
特選東紅と雅心東紅の比較
雅心東紅はエントリーモデル
ここからは特選東紅と雅心東紅を比較したいと思います。雅心東紅は特選東紅の廉価版という位置付けで、エントリーモデルとして販売されています。
なので、特選東紅の方が価格が高めです。
が、使ってみると特選東紅にも雅心東紅にもそれぞれ使い心地の違いがあって、単純に優劣というよりも、好みの問題かもしれません。
「どちらを買うか迷うな〜」という人のために細かく比較をしてみたいと思います!
見た目の違い
雅心東紅と特選東紅をならべて置いてみました。筆の見た目はあまり変わらないのですが、先端の長さは少し違います。
雅心東紅のほうが少し長い。そして少し先端が鋭利です。

色も特選東紅は、羊の毛でしっかり覆われていて、白い色。雅心東紅の方は先端が中のイタチの毛が出ていて、茶色っぽいです。
雅心のほうがちょっと細長い感じみたい
水含みの違い
保水力を比べてみました。とはいっても含ませ方で結構ちがうので、あくまで参考までにという感じです。
これは特選東紅の方が水含みは少しいいみたいです。

雅心東紅の方でも十分の水含みで、描いていて物足りなさを感じることはありません。
むしろ特選東紅の方が水含みがよすぎて、水分量のコントロールが難しい!という声も多くて。それは私も感じたことがあります。
どちらも色がしっかり濃く出ていますが、特選東紅の方はさらに色を濃く取ることができました。そして、その濃い色合いが持続しやすい。これ、ナイロン筆だとここまでしっかり絵具の粒子をキャッチできないことが多いので、すごく頼もしいですね。
こうしてみると、どちらもすごくいい筆ですね。
細部描写

どちらかというと雅心東紅の方が、より細かい部分を描くのが得意な感じでした。先端がかなり細いので、抜きと入りがシャープに仕上がります。特に先端を細々動かすような動きが得意ですね。
特選東紅も、細部描写は十分できますが、比べてみるとこちらの方が少し丸っこいです。が、その分曲線的な塗りに強いというか。紙の上で滑らかに動きます。そして、筆を根本までつかって、色を変化させたり、水分量を調整しながらぼかしたり、どちらかというと繊細なテクニックに対応します。

ただ、驚くほどの差はないです。どちらも使いやすい!
硬さ
見た感じはほぼ同じですが、触ってみると、特選東紅の方が、みちっと詰まっている感じがしました。雅心東紅のほうが、中身は痩せている印象ですね。あと、よくみると特選東紅の方は真っ直ぐな毛だけで構成されていますが、雅心東紅のほうはちょっと曲がった毛も混ざっているんです。やっぱり特選東紅の方が、上質な筆という感じです。

このあたりが水含みや描きごこちに影響しているかもしれませんね。
そして、雅心東紅の方が少し硬いです。なので、ナイロン筆やコリンスキー筆が気に入っている人にはこちらがいいかもしれません。初心者の方もこちらの方がよいかもしれません。

特選東紅は柔らかいです。イタチの芯毛があるので、羊毛100%筆に比べるとコシはありますが、全体としてはしなやかですね。柔らかい分、微妙な調節ができる感じです。
特選東紅と雅心東紅の使い分け、みんなの声
Xに投稿いただいたみなさんのお声です〜!特選東紅と雅心東紅のちがいや使い分けを説明してくださってます。とっても参考になります。ありがとうございます🙏
特選東紅と雅心東紅、どっちがおすすめ?
どちらも使ってみてそれぞれよさがあるので、どちらの方が優れている!というのは一概に言えないですね。個人的には特選東紅の滑らかでたっぷりした毛の感じがやっぱり好きですが、ワークショップで塗り絵の講座をした時は雅心東紅がとても使いやすく感じました(受講者さんにも好評でした)

雅心東紅:お手頃、小回りがきく、コントロールしやすい、線画のあるイラスト向き、細部表現向き
特選東紅:水含み、絵具含みがよくたっぷりにじませられる。境界をぼかす、大きく塗り広げる、濃く塗るのに向く、ソフトエッジな絵に向く。小回りもきく。ただ、少しコントロールには技術がいる。
自分の使い方に合った方を選ぼう!
どっちもおすすめ✨
東紅が向いている水彩紙
東紅シリーズは万能なので、どんな塗り方もできるのですが、紙に関しては少し相性を感じます。
柔らかい筆は、荒目の紙やサイジングの強い紙の表面に負けやすく、滑らかな線が描きにくいです。元々日本画用の筆は日本画用の紙に合わせて作っていると思います。水彩紙は、結構凹凸が激しい紙の多いのですが、日本画用の和紙は比較的滑らかです(合ってるかな?)なので、そこまで凹凸を乗り越える仕様にはなっていないと思うんです。

東紅は適度に弾力はあるのですが、やはり柔らかめであるので、荒目の水彩紙よりも滑らかな水彩紙に向いています。中目〜細目の水彩紙に対しては、力加減の調節で絶妙な塗りをすることができました。私の愛用の水彩紙は、滑らかよりの中目なので、東紅は大活躍でちょうど良かったです。
ただ、使っている水彩紙の凸凹が大きい場合は、真価を発揮しづらいこともあるかもしれません。
特選東紅大きさによる違い
特選東紅に関しては、大・中・小のサイズを購入したので、大きさによる比較ものせておきます。

小と中はそこまで変わりませんが、大はけっこう大きめです。大きさに応じて水含みも変わってきます。が、どのくらい細かく塗れるのか、ということに関していうとそこまで変わりません。穂先の細さは同じだからです。

強いて言うと、小は穂丈が短い分、コントロールはしやすいかもしれません。個人的には中が使いやすく、おすすめです。
名村さんのHPに商品情報があります。
東紅の価格について(2025年現在)
お値段はそれなりにしますが、上質な筆なので、長く使えるのではないかと思います。コリンスキーも良いのですが、最近はめっぽう高くなったので、それよりはまだお手頃かな!と。細かいところも、広いところも一本で塗れるので、小さな筆をいくつも買わなくてもいいのも魅力の一つです。
ちなみに2025年現在の価格。
雅心東紅
| 小 | ¥1,600+税 |
|---|---|
| 中 | ¥1,800+税 |
| 大 | ¥2,000+税 |
特選東紅
| 小 | ¥3,200+税 |
|---|---|
| 中 | ¥3,600+税 |
| 大 | ¥4,300+税 |
| 特大 | ¥6,700+税 |
以前より値上がりしてしまったのですが、まだ買える価格。ここから値上がりはあっても、値下がりすることは絶対ないので今が買い時ですよっ!
おわりに
ということで、愛用の筆、特選東紅と雅心東紅をご紹介しました。日本画の筆が、水彩でも使えるのはちょっと意外かもしれませんが、西洋の筆にはない繊細さがあるので、ぜひ試していただきたいなと思います!
他にも似たような筆のおすすめがありますので、こちらもぜひ。


























