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限りなく透明な黄色、トランスペアレントイエローを紹介します

黄色が好き、というより黄色の絵具が好きです。黄色の絵具は個性的なものが多いですが、今回は透明な黄色の絵具の紹介です。

その名もトランスペアレントイエロー!

トランスペアレントイエローについて

残念ながら、日本のメーカーさんの取り扱いがあまりない色なのですが、ウィンザー&ニュートン、シュミンケホラダム、マイメリ、セヌリエなどで買うことができます。

顔料はPY150

以前はオーレオリン(PY40)という色が、透明感のあるイエローとして一般的だったようですが、不安定(耐光性という意味かな?)だということで、徐々にPY150の顔料が一般的になっていったようです。

緑や青、赤では透明感のある顔料は、割とあるのですが、意外と透明なイエローの顔料は少ないのです。

現在は、探すと半透明くらいの鮮やかなイエローの絵具は、探せばチョコチョコありまして、選択肢も色々ですが、このトランスペアレントイエローの透明度は群を抜いていて、黒い紙の上に塗ると見えなくなってしまうほど。抜群の透明感なので、混色した時は、かなり差がつきます。

トランスペアレントイエローってどんな色?

チューブから出した色とギャップあり

こんな感じの色です。

トランスペアレントイエロー

この色とっても面白くて、チューブから出したところは…

かれは
かれは

うん…黄土色ですね

とても色が濃く、黄土色にしか見えません。私、初めてこの色をチューブから出した時、「あれ??なんか間違えた!?」と思わずチューブを二度見しました。

ところが水で溶いていくと、不思議なことに鮮やかな黄色が出現します。

面白い!!

でもなんだろう、この感じ。濃い部分は黄土色、薄く塗ると黄色…

既視感が…  これはもしや…

ひよこ
ひよこ

カレー…?

淡い部分は鮮やか、全体的に渋みあり

実はトランスペアレントイエローはあまり鮮やかな黄色ではありません。(透明感が強くて、鮮やかなのだと思い込んでいましたが。)

少し彩度は低めです。ただイエローオーカー色の渋さとは種類が違います。

濃く塗ったところは、特に渋みが強く、茶色のようにも感じますが、薄い部分は鮮やかです。ほんとに個性的で面白いです。

抜群の透明度

ただ先ほども話しましたが、抜群の透明度!暗色の上に重ね塗りすると、色が見えなくなってしまいます。

一番下がトランスペアレントイエローですが、黒い紙の上だとほとんど色が見えなくなってしまう。

驚きの透明度です。売られている黄色系の絵具の中で一番透明度が高いです。

青の上に重ね塗り

青の上に重ね塗りすると、かなり下の青が透けて、重ねた部分が緑に見えます。この性質を生かして重ね塗りで色調整するのにも向いています。他のイエローに比べると色がやや渋いのも分かると思います。

ややムラになりがち

そして、透明感の強い色にありがちですが、少し塗りムラになりやすい色です。

混色してみた

混色してみました。このイエローはそのまま使っても良いのですが、白い紙に塗っても他のイエローとの違いはそこまで感じられません。

混色したり、重ね塗りした時に、その個性が出てきます。

不透明色のカドミウムイエローと透明色のトランスペアレンとイエローを比べてみます。

不透明色のカドミウムイエロー、透明色のトランスペアレントイエロー

色はカドミウムイエローの方が鮮やかで、ムラにならないです。しっかりした強い発色です。トランスペアレントイエローは少し渋みがあり、ムラになりやすいです。乾くのにも時間がかかり、エッジができました。

ひよこ
ひよこ

カドミウムイエローは普通の黄色だね。
トランスペアレントイエローはちょと変わってるなあ

それぞれ他の色と混色してみます。

まずはフタログリーンとの混色。フタログリーンはとても透明感がある緑なので、透明のトランスペアレントイエローと混ぜると、とても透明感の強い黄緑になります。色は少し渋くなりますが、セロファンのような透明のグリーンが作れる!重ねて塗ったところがかなり、透明感が強いです。

一方カドミウムイエローとフタログリーンを混色するとやや不透明になりがちです。が、マットでムラになりません。こちらもとてもきれいな混色です。

キナクリドンレッド(PV19)との混色も試してみました!キナクリドン系の色も透明感が強い色なので、トランスペアレントイエローと混色すると、透明感のあるオレンジになります。ものすごい透明感。重ね塗りにも使えそう。

カドミウムイエローとキナクリドンレッドとの混色は、カドミウムイエローが不透明なので、オレンジも半不透明です。ムラなくきれいに塗ることができますが、やはり濃く塗るとやや下の色が隠れる感じです。

とにかく透明色なので、透明色同士を混ぜて、透明色を作りたい!

メーカーごとの色名

どのメーカーで売っているのか?気になりますよね。トランスペアレントイエローの名前で売られていることが多いのですが、一部名前が違うので、整理します。

私が持っているのはシュミンケホラダムのトランスペアレントイエローですが、他も同じような色でした。

どれを買っても満足だと思います!

トランスペアレントイエロー※シュミンケホラダム
トランスペアレントイエローウィンザー&ニュートン
トランスペアレントイエローマイメリ
イエローレーキセヌリエ
PY150のメーカーごと色名

※シュミンケホラダムは以前、「トランスルーセントイエロー」という名前で売っていたので、まだその名前のチューブが残っていることがあります。名前が違うだけで同じ色です。

最後に

トランスペアレントイエロー、本当に変わった色で面白いです。

ただ、黄色としても色味が足りなかったり、色もそこまで鮮やかではないので、鮮やかな黄色と2色持ちがいいかなと思います。

基本のイエローとしては、イミダゾロンイエローやカドミウムイエロー、プライマリーイエローなど、はっきりした鮮やかな黄色がよいと思います。

特にカドミウムイエローは不透明で強い発色、鮮やかな色味で、今回紹介したトランスペアレントイエローとは反対の性質を持つ黄色です。(有毒なのがやや難ですが、気になる方はW&Nのカドミウムフリーイエローがおすすめです)

カドミウムイエローは「ザ・黄色」なので、基本の混色や黄色として使うときはこちらをメインに使い、時々透明色が欲しいときや重ね塗り用にトランスペアレントイエロー、という感じで用途によって分けるといいかもしれません。

特に緑系の色を混色で使う人は、トランスペアレントイエローは、ものすごく透明感のある独特の黄緑が作れますので、おすすめです。

私はというと、時々使う程度ですが、固形になった時と水にといた時の色のギャップがたまらず面白く、サブパレットに入れて時々遊んでいます。なぜか、使うたびにカレーが食べたくなるんですが。私だけでしょうか。。

今夜はカレー♪

ひよこ
ひよこ

初心者が使うには少し癖の強い色なのですが、いつもの色に飽きてしまった人や変わった色を求める人にぜひ。