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[透明水彩]ピンクの作り方、ピンクを作れる絵具

透明水彩だと青の方が人気らしいのですが、私は何気ピンクも好きであります。一口にピンクといっても色々な色があるので、ピンクの作り方とピンクが作れる絵具を紹介してみようと思います。ブログ開設してから間もないころ、このテーマで1度記事を書いたことがあるのですが、まだまだ顔料の知識が薄かったので、今の観点で新たに記事を書き直してみます!

ピンクってどんな色?

さてピンクとは何色と何色を混ぜてできた色でしょう??

もう分かるよ!
赤と白でしょ♪

そうですね。ピンクは赤と白を混ぜた色になります。

色相的には赤の明度を上げていくとピンクになります。青は色相を上げていっても青という名前のままですが、なぜか、ピンクは明度の高い赤、ではなくピンクという独立した色として認識されています。

かれは
かれは

赤とピンクではかなり色の持つイメージが違うよね

ひよこ
ひよこ

赤とピンクはちがう色って感じがする!

ピンクを作るには赤の絵具が欠かせません。

絵具の顔料って不思議なもので、濃い部分と薄い部分で色の雰囲気が変わるものも多いです。↑上の画像も2色の顔料、濃い部分は同じような朱色なんですが、薄めていった時の色が違います。不思議ですよね〜

なのでどの赤の絵具でどんなピンクが作れるのか。紹介してみたいと思います!

ひよこ
ひよこ

わーい、楽しみ
ピンク大好き!

ピンクが持つイメージとは?

ピンクは赤とは違う独特のイメージを持っている色です。ピンク、というと可愛いとか可憐なイメージを持つ色と思う方が多いのでは?

ピンクは「安らぎ」や「幸福」、「愛情」などポジティブなイメージを持つ色のようです。そして女性的なイメージの強い色でもあります。

絵に取り入れることを考えると、ピンクは明るさや華やかさがありながら、どの色とも相性がよく調和が取りやすい色です。補色である緑と合わせてもキツくならないし、青と合わせれば華やかになるし、黄色やオレンジと合わせると暖かな色合い、茶色やグレー、ネイビーなど暗い色はいい具合に引き立て役になってくれる。どんな比率で使ってもまとめやすい。

ピンクはどんな色とも相性がいい!

ので、実はピンクはびっくりするほど使い勝手のいい色です。赤よりも断然使いやすい。

なので本来なら赤で塗るところを、濃いめの渋いピンクに置き換えてしまうこともあります。そうすると絵の色合いがとてもソフトでまとめやすくなります。

絵の中では赤い洋服の設定

例えば、この絵だと、絵の中の設定では女性の服は赤です。でも洋服を真っ赤を塗ってしまうと、この絵のテーマである「光る星の髪飾り」が目立たなくなってしまう恐れがあります。赤はどうしても目立つ色なので絵の中で主張しすぎてしまうこともあります。なので、実際には洋服は赤では塗らず、渋めのピンクにしています。その方が、全体の調和がとれ、絵全体の色調にまとまりを感じやすいです。

ピンクというと「可愛い」とか「女性的」とか「甘い」色として敬遠される方もいると思いますが、少し視点を変えて「便利な色」として活用されてみましょう!

これから色々なピンクを紹介します。めっちゃ甘い色合いもありますが、意外とクールで使いやすいピンクもありますし、ちょっと渋くするとピンクの持つ甘さはかなり軽減されます。さっき言ったように赤の代わりに使うこともできます。

ピンク一覧

ホルベインの赤を中心にピンクを作って一覧にしてみました。右に行くほど、青よりの冷たいピンク、左に行くほど黄色よりの暖かいピンクになります。

※印がついているピンクをご紹介します。

冷たいピンク(甘め)

色相が紫よりのピンクは、冷たいピンクです。このピンクは「いかにもピンク!」な色合いで甘いイメージです。お花にもこういう色は多いです。この色相の絵具は少ないので、ぜひチェックしてみてください。私はこの色合いの絵具をずっと探していましたが、最近になってどの顔料なのかやっと分かりました!

キナクリドンマゼンタ

まずはこれです。キナクリドンマゼンタ(PR122)

超定番の顔料のため、どのメーカーからも買えます。濃い部分は赤紫ですが、薄めると鮮やかなピンクです。

ピンクとして使うのにぴったりな絵具!この色調を探している方におすすめです。キナクリドンマゼンタという名前になっていることが多いですが、メーカーによっては名前が違うこともあるので注意。

私の個人的なおすすめはホルベインパンカラーのキナクリドンマゼンタとマイメリのベルチーノバイオレットです。色が濃すぎず色も冴えていて、ピンクとして使う時に使いやすいです。

色調としては、青よりの冷たいピンクです。この色調のピンクを作れる絵具はこれだけ!長いこと探していたのですが、やっとPR122という顔料だと分かりました。1つはパレットに入れておくのおすすめですね。

オペラと似ているのですが、こちらは耐光性バッチリです!

詳しくはこの記事で。

次に紹介するオペラの方が色は鮮やかですが、耐光性が強いのはキナクリドンマゼンタの方です。オペラの代わりの色を探している方にもおすすめ。

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オペラ

とにかく鮮やかさを求める時にはオペラです!全ての赤の絵具の中で一番鮮やかです。どうしても「彩度!」が欲しい時にはこの色を使います。

この色の素晴らしいところは、薄めなくてもピンク色であるところ!とっても分かりやすいです。

蛍光顔料が入っているので、どうしても耐光性は落ちます。部屋に飾るような絵、販売する絵には要注意。耐光性の強さはメーカーによって差がありますが、蛍光顔料の割合が多い色(鮮やかさがすごい色)ほど色落ちが早かったです。ちなみにオペラは蛍光顔料とキナクリドンマゼンタとの混合色であることが多いので、色合いはキナクリドンマゼンタと似ています。

オペラ、とひとくくりにまとめてしまいましたが、使われている顔料や割合、組成はメーカーによって違います。退色の仕方もそれぞれ違いました。

こちらも記事に詳しくまとめていますのでどうぞ!

混色でも活躍します。とても鮮やかな紫を作ることができます。

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中間ピンク

キナクリドンローズ

一番万能だと思っているのがキナクリドンローズ。PV19(ホルベインだとキナクリドンレッド)

色はやや紫よりではありますが、キナクリドンマゼンタほどではなく、若干甘さは軽減されます。フレッシュでとても美しい色です。

この顔料、いくつか異なる色味を持っているので、どの絵具が鮮やかなピンクを作れるのか、下の記事でチェックしてみてください。明るい赤のタイプが鮮やかなピンクを作るのにおすすめです。ホルベインのキナクリドンレッド、ウィンザー&ニュートンではパーマネントローズ、シュミンケホラダムのルビーレッド、ターナーだとキナクリドンチャイナローズ、などなどです。

スタンダードなピンクですね。濃く塗れば「赤」薄めて塗れば「鮮やかなピンク」でどの淡さでも使いやすいのがおすすめのポイントです。どれか1色選べ、と言われたらこれかなあ。

発色も透明感も強く、伸びもいい、透明水彩らしさがあります。黄色との混色も青との混色も相性◎です。とにかく万能。そしてすべてのメーカーから買えて、とても手に入りやすいです。そしてどのメーカー間の違いもなく安定しています(どれでもOK)

ホルベインだとキナクリドンレッドという名前です。

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ピンク向きの明るい絵具

赤として使うにはちょっと色が薄いけど、ピンクとして使うのに優秀な絵具をご紹介します!

ホルベインのキナクリドンスカーレットとターナーのパーマネントスカーレットです。赤として使うには色の濃さが足りず物足りないですが、抜群の透明度と彩度(鮮やかさ)でピンクとして使うのにぴったりの絵具です。

キナクリドンスカーレット

これはホルベインのものですが、その他のメーカーでも買えます。が、ホルベインのものが値段も安く手に入りやすいのでおすすめしておきますね!

濃く塗っても「赤」にはなりません。濃いめのピンクって感じです。とても透明感が強いので、パレットに出してみるとチューブはちょっと渋い色ですが、水で溶くととても鮮やかな色が出てきます。

キナクリドンスカーレット

淡い色として使うと、とても美しい桜色!

どちらかというと暖かいピンクですが、そこまで黄色に寄っていないので万能です。2022年のパレットに入れていますが、とても優秀な色です。ピンク色に特化してます。透明感がすごいので、重ね塗りするととてもいい感じです。

ちなみにホルベインの人気パステルカラーブリリアントピンクはこの色と白を混ぜた色ですよ〜。こっちは少し濃いめの色も表現できるので、濃淡や繊細な表情が出ますよ。

ピンクをよく使う!という人には全力でおすすめしておきます。

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パーマントスカーレット

こちらはターナー透明水彩。残念ながらホルベイン にはない色です。

でもターナーもとっても安いのでおすすめ。

こちらもキナクリドンスカーレットと、とても雰囲気似てます。赤として使うには色が淡いのですが、透明度が高く、とても鮮やかな色です。キナクリドンスカーレットよりも、やや黄色よりでサーモンピンクです。どちらが好きかは好みかな。

薄めるととても鮮やかなピンクが出てきます。サーモンピンクは、人物の赤みなどにもちょうどいいので、とても使える色味だと思います!どっちも捨てがたいです。

ひよこ
ひよこ

か、かわいい…

暖かいピンク

暖かいピンクの選択肢はとても多いです。顔料の種類も多いので。私もすべての色を持っているわけではないので、全部は紹介できませんが、ほとんどのメーカーでお取り扱いのある定番の色をいくつかご紹介します!

ピロールレッド

「どの絵具を「赤」だと思う?」と聞いたら、100人に100人がこの色を赤だと答えるでしょう!

というわけで真っ赤な絵具、ピロールレッド。濃く塗ったところでは真っ赤でとても鮮やかな色です。なので、薄めて作ったピンクもさぞかし鮮やかなのではないか…と期待するのですが、そうでもないところが絵具の面白いところです。ピロールレッドを薄めた色は意外と落ち着いていてあっさりしたピンクなので、正直拍子抜けします。

濃い部分はとても鮮烈な赤なのですが…

ただ、このピンクも少し落ち着いた暖かいピンクとして活躍します。他の色と合わせやすい。絵の色調を、あまり甘くしたくない時に。真っ赤ではきついとき、ソフトな赤として。

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カドミウムレッド

かなり黄色よりの赤になるので、こちらは完全にサーモンピンクです。暖かさがあるピンクの代表格。カドミウム系の色は不透明ですが、とても安定感があり塗りやすい色なので、初心者さんにもおすすめです。透明感の強い色はどうしてもムラになりがちなのですが、カドミウムレッドはとてもムラになりにくいです。(粒子が重たいことも関係しているかも)なので広範囲の夕焼け空のグラデーションにはカドミウムレッドが塗りやすく愛用しています。

色も、黄色〜オレンジ〜サーモンピンクのグラデーションがとても使いやすかったり、サーモンピンクは自然のものにとても多いので、大活躍します(2022年のパレットでは外してしまったため、ちょっと苦戦してます笑)

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おまけ

ホルベインの色々な赤絵具でピンクを作ってみました。今回ご紹介したもの以外の赤絵具です。

ローズマダーやカーマイン、ピロールルビンなどは落ち着いたピンクになるので、あまり甘くはならないかな、と思います。クリムソンレーキも冷たい色合いでいいですね。もちろんちょっと落ち着いた色も使いやすくていい感じです!彩度を求めると選択肢があまりありませんが、渋めの色であればいくらでもあります。ダークレッド系の顔料はたくさんあります。混合色でもいいですしね。

赤として使いやすいのと、薄めてピンクとして使いやすいのはまた別なので、赤の絵具を買ってみたら、淡い色調でも塗ってみて発色を試してみてくださいね。

私の場合、赤として使うなら真っ赤のピロールレッド好きですが、ピンクとして使うならキナクリドンスカーレットが可愛くて好きです。使い分けするのもよいと思います。

色を薄めるために白を混ぜる、またはピンク色のパステルカラーの絵具を買う、これも選択肢のひとつですが、赤を薄めて作ったピンクは、透明水彩独特の透明感と彩度があり、特別な魅力があると思っています。

最後に私の描いたピンクの絵をご覧ください〜〜