マイメリブルー透明水彩 ドットカードで全90色試してみた!使用感、おすすめ色も

長らく楽しみにしていた、マイメリブルー透明水彩の全色90色ドットシートを試すことができたので、その使用感や色のバランスをレビューしようと思います。おすすめ色も紹介します!

マイメリブルー透明水彩とは

マイメリブルーはイタリアの透明水彩です。大美術工芸社が代理店となっています。

マイメリブルーは、元々単一顔料の比率が多めの水彩ブランドでしたが、2020年に前面リニューアルし、全色単一顔料にリニューアルしました。色のラインナップなどもだいぶ変わりました。

単一顔料の絵具は、たった一種類の顔料から作られた絵具のことで、混合顔料の絵具に比べて、混色したときに色の彩度が落ちにくいとされています。

単一顔料の絵具の比率が多いメーカーは、扱っている顔料のバリエーションが豊富なので、たくさんの色の選択肢があるメーカーだということも言えます。

マイメリブルーは全ての色が単一顔料だということなのですが、本来顔料の色味というのには偏りがあるので、混合しないと表現できない色味というのもあるのです。なので、全ての色が単一顔料というのは、すごいなあと思っていたのです。黄緑や焦げ茶はどのような顔料を使っているのかな、とか気になることがたくさんありました。

なので、そういうことも含めてお話ししたいと思います。

ドットシートについて

2020年のリニューアル後、ドットシートの販売がスタートになりました。

ドットシートは、全90色の絵具が少しずつ、ついているお試しシートです。絵具を買う前に、全色試す事ができます。色々なメーカーから出ています。1つの絵具の値段が高いメーカーほど、買う前に試しておくといいですよ。

塗ってみたところです。絵具は少しずつですが、のびがいい色が多いので、十分でした。

キャンソンヘリテージ水彩紙が使われていて、塗りやすかったです。発色のいい紙なので、絵具の色が映えます。きれい!

全90色について、色のバランス

全90色ということですが、全てが単一顔料です。でも似たような色は少なく、それぞれそれなりに違う色で驚きです。

特に、赤、黄色、青の色が種類が多めです。選び甲斐があります。

色のバランスは、はっきり言ってしまうと、偏っています。もっと具体的に言ってしまうと、緑と茶色が少なめ、というか色の偏りがあります。でもこれは仕方ないです。もともと、顔料は色が偏っていて、一色では表現できない色もあるのです。なので、混色して、欲しい色は作ってしまえばいいんです!

緑と茶色については後述しますね。

使用感

とても滑らかで、スッと溶ける感じです。

顔料の濃度が高いのか、少しの絵具でかなりたくさん塗り伸ばせる感じがあります。

伸びもよく、ムラなくきれいに塗れます。

このあたりはシュミンケホラダムの感触にも似ています。

ただ、何色かは、とても溶けにくい色もあり、これは単一顔料にこだわり顔料独自の個性を大切にしているからだと思います。また、発色強めの顔料はとても強い色味だし、ざらっとした顔料はかなりざらっとしています。この顔料の個性を大切にしているというところは、ちょっとウィンザー&ニュートンとも似ているなあ。

少し値段は高めですが、チューブ12mlの量を考えると、シュミンケホラダムに比べるとだいぶ安いです。量が多いので、使い切れるような色がいいと思います。

マイメリブルーの黄色

マイメリのオレンジと黄色です。

黄色も種類が豊富ですが、オレンジも豊富です。

色相順に並んでいないので、分かりにくいので整理します。

レモン色

レモンイエローの色は

082カドミウムイエローレモン、112パーマネントイエローレモン、121イエローバナジウム、109ニッケルチタニウムイエロー

です。

ふつうの黄色

普通の黄色は083カドミウムイエローミディアム、116プライマリーイエローです。

122トランスペアレントイエローは、透明のイエローですが、濃い部分は山吹色、薄めるとレモン色のちょっとクセのある黄色です。

その他の黄色

少し赤みのある山吹色は、114パーマネントイエローディープ、098インディアンイエロー、117ゴールデンイエロー、084カドミウイエローディープです。

099ネイプルスイエローディープ、104ネイプルスイエローは彩度の低い黄色ですが、とても柔らかく優しい色なので、黄色が苦手な人にもおすすめです。

オレンジ

残りはオレンジ色です。黄色も種類が豊富ですが、オレンジも豊富です。オレンジはシュミンケホラダムが一番種類が多いのですが、それと同じくらいの種類があります。125オレンジレーキはマイメリにしかない色です。画像では伝わりにくいですが、かなり色の強い鮮やかなオレンジ色です。

マイメリブルーの赤

中々画像の色が、実際の色の鮮やかさを伝え切れていないのですが、どの赤も鮮やかで発色も強いです。

赤の基本色として使えそうだと思ったのは、

176 ローズ(アリザリン)マダー、

182 ローズレーキ、

256 プライマリーレッドマジェンタ、

263 サンダルレッド

あたりです。

赤系は、どの色も発色がよく、伸びが良かったです。カドミウム系以外はほとんどが透明色で、粒子も細かく滑らかな色です。

どの色も美しいので選ぶのが、迷うほどです。

黄土色、赤茶色

この中では131イエローオーカー、134ゴールデンオーカー、161ローシェンナは、赤ではなく黄土色です。

250トランスペアレントマルスレッドと262ベネチアンレッド、270ドラゴンズブラッド、276ポッツォリアース、278バーントシェンナは、赤みが強い茶色です。ポッツォリアースの色、穏やかなピンク色できれいな色でいいなあ。

マイメリブルーの青

青系は、どのメーカーでもそこまで違いがないのですが、マイメリブルーの青はちょっと珍しい色もありました。

まず定番のウルトラマリンは、391ウルトラマリンライトで、392のウルトラマリンディープは粒子が荒いタイプです。

441のウルトラマリンブルーはウルトラマリンバイオレットの顔料(PV15)で、色も青紫なので、一般的なウルトラマリンブルーとは全く別の色です。440のウルトラマリンバイオレットの色の仲間という感じです。

インディゴは珍しい単一顔料(しかも、インディゴ顔料)です。黒が混ざっていないにもかかわらず、深い色合いでとても美しい色です。

私の個人的なおすすめは

359 ベルリンブルー(ちょっと珍しい)

368 セルリアンブルー(ちょっと珍しい)

591 ウルトラマリンライト

400 プライマリーブルーシアン

422 インディゴ(天然インディゴ顔料珍しい)

431 フタロターコイズ(珍しい)

マイメリの緑

緑はちょっと解説が必要です。

もともと緑の顔料は少なくて、どのメーカーもほとんどの緑の絵具を複数の顔料を混ぜて作っています。とくに便利な色味である、サップグリーンやフーカースグリーン、オリーブグリーンは混合しないと表現できない色です。

ところが、マイメリは単一顔料にこだわっているので、これらの便利な緑色がありません。サップグリーン、フーカースグリーンに使われている顔料はPG17で、他メーカーではオキサイドグリーンとして売られている色です。植物の色としてはちょっと鈍いかも。

おすすめは324キュープリクグリーンディープと322キュープリクグリーンライトです。(中身はフタログリーン)基本のグリーンで、色が鮮やかすぎるので、そのまま使うのは難しいですが、混色で色々なグリーンを作れます。フタログリーンをフル活用する記事も読んでみてね↓

不人気の色 フタログリーン 使い方が分かれば強い味方に!

あと個人的にいいなと思ったのは、316コバルトグリーンライト。穏やかなグリーンで素敵です。

333グリーンゴールドも植物を描くときに重宝しそうな黄緑です。ちょっとクセがあるかなあ。

マイメリの紫・茶色・グレー

紫は4色です。青のところにあった440ウルトラマリンバイオレットと441ウルトラマリンブルーを合わせると6色です。

定番の紫は 463パーマネントバイオレットブルー。

458 マンガニーズバイオレットはかなり粒子の荒い、個性的な紫で、どの色と混ぜても分離するので、分離色を作りたい人にはおすすめ。

茶色

茶色は、赤茶色が豊富で、赤のところにも、

250トランスペアレントマルスレッド、262 ベネチアンレッド、270 ドラゴンズブラッド、276 ポッツォリアース、278 バーントシェンナ、

があります。

476 マルスブラウンは、茶色と黒に少しだけ分離する珍しい色。絵にニュアンスを加えられる面白い色です。

492 バーントアンバーは基本の茶色。

486 セピアはグレーがかった美しい茶色で、この色かなり気に入りました。

グレー

ペインズグレーは青がかったグレーですが、こちらは合成インディゴ顔料で珍しいです。持っていますが、あまり濃くないので、重ね塗りにもいいです。

ニュートラルチントは思ったより紫ではないですね。

その他の黒は

537カーボンブラック > 540マルスブラック > 535アイボリーブラック

の順に色が濃いです。

マイメリは混色向き!

リニューアル後のマイメリブルー透明水彩は、より混色向きの透明水彩になったと思います。

私はもともと混色推しです。色々な種類の色を買い求めるよりも、限られた色で混色を使いこなした方が、色が上手に使えるようになるよ!という記事をたくさん書いています。選択肢はあまりに増えてしまうと、中々使いこなすことが難しくなってしまうのです。

もちろん、混合された色も便利で使いやすいので、場面場面で、うまく使い分けができるといいと思います^^

その点、マイメリは、全色単一顔料!単一顔料は混色しても、色も濁りにくいです。一色で、色々な使い方ができます。なので、自分で工夫して、自分好みに使うことができる絵具だなあと思いました。

混色の記事はこちら↓

透明水彩の混色!黄緑のつくりかた

混色のきほん(初心者必見)

水彩の混色見本を作ってみよう

マイメリでおすすめなのは、赤、黄色、青、の絵具です。とても種類も豊富ですし、マイメリでしか売っていない色もあり、選びがいがあります^^

マイメリイントロセットはバラで買うより、かなり安いのでおすすめ。でも絵具は特徴のある色が多く、基本色のセットではないです↓

[透明水彩]マイメリブルー イントロセットの解説!