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とってもかわいい!透明水彩のパステルカラー、メリットとデメリット

可愛らしいパステルカラーの絵具!皆さんはお好きでしょうか?パステルカラーは愛用者も多い一方、水彩の先生の中には邪道、という方もおられて賛否あるなあと思っていました。

白が混ぜられたパステルカラーの絵具。メリットとデメリットについて考えてみたいと思います!

パステルカラーの絵具とは

こんな感じの可愛い色です。要するに、白が混ざった混合色のことです。並べたりすると可愛さが増しますね。

クサカベやホルベインのパステルカラー

でも…

かれは
かれは

確かに可愛いけど、一体どうやって使う?この色。

使い方がよく分からず、パステルカラーは、あまりパレットに入れたことがなかったんです。

どんな色がある?パステルカラー

このような色は多いのはホルベイン、クサカベが多いです。ターナーの海外色にもちょっとあります。セヌリエやシュミンケ、ウィンザー&ニュートンも数色このような色があります。

一番よくあるのは、ジョーンブリヤンのような肌色?っぽいクリーム色。(ホルベイン、クサカベ、ターナー、シュミンケ、ウィンザー&ニュートン)

その次はネイプルスイエローのような黄色+白、ホリゾンブルーのような青+白のような色味も一般的です。

ブリリアントローズやシェルピンク

あとはホルベインのラベンダーや、ライラックなど、ターナーのウィステリア、薄紫。

色々な話を聞いたりするうちに、このようなメリットがあるのでは?と思うようになりました。

こんなメリット、こんな使い方があるんじゃないかな?

かれは
かれは

パステルカラー(+白の混合色)のメリット

粒状化がおさえられている

色の中には、コバルトブルーやウルトラマリンなど、粒状化する色(粒子が荒い色)もあったりします。

こういった色は、色味はとても鮮やかできれいなのに、塗ったときに、ざらざらした感じに見えやすいんです。大きな粒子が目立って、粒々に見えたり、水彩紙の凹凸に大きな粒子が入り込んで、はっきり紙目を反映したりします。粒子の細かい色と並べてみると違いがよく分かります。滑らか、均一に色が乗りにくいんです。

セルリアンブルーは粒子が粗く、紙の凹凸がはっきり出ています

あとは、他の色と混ぜたとき分離してしまいます。これはこれで、味がありますが、ちゃんと混ざらないのは困ることも多いです。

水色と紫が分かれてしまう

ところが、白が混ざった色は、このような粒状化の性質が押さえられています。

ひよこ
ひよこ

白が入ると、つぶつぶ感が感じられない色になっているよ!

なので、混ぜても分離しにくいですし、塗ったときに滑らかな感じがあります。

また、粒状化ではないですが、色味が強すぎる顔料もあったりします。フタロブルーなのですが、単品だと、ちょっと色が強すぎて、均一に塗ったりするのが難しいです。着色力も強すぎて、染み付いてしまいます。その場合はフタロブルーに白が混ざった色は、色味が和らげられていて、とても使いやすいんです。

色が強すぎて、扱いが難しいフタロブルー

ただ、このフタロブルーPB15と白の混合色は、白が多く混ざったものと、白が少しだけのもので、かなり色の雰囲気も用途も変わってきます。白が多いものはパステルカラーとして使う、白が少ないものは、単一顔料のPB15の代用品として使うことができます。

フタロブルーに、少し白が入ったセルリアンブルーヒュー(シュミンケホラダム)
塗りやすさが段違いでおすすめ!

淡い色もしっかりしている

透明水彩では、色の淡い部分は、絵具を水で薄めて使う、この使い方が基本です。

ですが、水で薄めると、当然顔料も少なくなります。なので、紙にのる顔料が減ってしまうんです。

白を混ぜて作ったパステルカラー、水で薄めて作ったパステルカラー、画面では同じように見えても、結構肉眼では違いがあります。

クサカベのラベンダーは白が入ってて、右はウルトラマリンを薄めている

水で薄めて作ったパステルカラーは、本当に薄く感じるんです。画像では分からないですが、肉眼で見るとはっきりした違いがあります。

かれは
かれは

人間の目ってすごい✨

ひよこにはよく分からず…

ひよこ
ひよこ

「なんか薄い感じ、塗ってない感じ」がしちゃうんです。

なので、水で薄めて作ったパステルカラーでは「物足りない感じ」になってしまう場面もあるんです。

色が薄い部分を、薄めた絵具で塗って、物足りなくなってしまう場合は、白が混ざったパステルカラーの方がしっかりした感じに見えることもあります。

特にジョーンブリアンやネイプルスイエローなどのまろやかな黄色やオレンジは、ひだまりや砂浜を表現するのにとてもよいです。黄色やくすんだオレンジは水で薄めるとほとんど色が感じられないので、パステルカラーを使用すると、ちょっと厚みが感じられ存在感が出ます。

砂浜をジョンブリアンで塗っています

水で薄めてパステルカラーをつくる方がいいこともありますし、時と場合によりますね。

同じ色を均一に塗れる

必ず同じ色を使うことができる、というのは大きなメリットだと思います。

淡い色は、もちろん作れるのですが、水加減で調整するので、同じ色を毎回作るのは難しかったりします。特に複数の色味(例えば紫+青)に白が混ざっているような色だと、混色は3回になるので、同じ色味を作るのはちょっと難しいかもしれません。

すでに出来あがっているパステルカラーは、必ず、同じ色を使うことができます。

ひよこ
ひよこ

よく使う色なら、便利だね✨

なので、複数の作品に同じ色を使って統一感を持たせたい、とか、広い面を均一に同じ色で塗りたいときには便利だと思います。

同じキャラクターを同じ色で塗りたい!

あとはイラストなどでは、キャラクターの固有色なんかがあります。髪色や服の色などです。こういう場合は毎回同じ色で塗りたかったりするので、最初から色々な色を混ぜて作られているパステルカラーはとても便利です。

上だとカエルのキャラクターをクサカベのミントグリーンで塗っていますが、毎回同じ色で塗ることができるので、「同じキャラクターである」ことを示しやすいです。

パステルカラー(+白の混合色)のデメリット

パステルカラーのデメリットについてもお話ししようと思います。

不透明なので、重ね塗りがいまひとつ

白が混ざった色は不透明色です。白の分量が多いものほど、不透明が強くなります。

線画を生かして描く場合、白が混ざったパステルカラーは線画の線を覆い隠してしまうことが多いです。100%隠れてしまうわけではないのですが、線が見えづらくなるので、また上から描き起こしたりする必要があります。

透明性という透明水彩の良さがあまり生かされないのです。

また重ね塗りするときも同じです。重ね塗りで、色を深める、という使い方ができないです。

色に深みがなく濃淡で表現できない

白が入っている、という事は明度が高くなります。(色の明るさが強い、ということです)

グラデーションで塗ってみたとき、フタロブルーやプルシャンブルー、ウルトラマリンなど、単一顔料の絵具は、濃い部分は深みがあり暗い色、淡く塗るとパステルカラーになり、濃淡の幅が広いことが分かります。

上はクサカベのブルーグレー、下はプルシャンブルー
色の幅が広いことがわかります!

単一顔料の絵具ならば、1色のみで濃淡で表現することができます。濃い紺としても使えるし、淡い水色としても使えます。一色で明暗を表現することもできます。例えばプルシャンブルーは、濃い部分は紺色?というくらい深みがあるのですが、薄く塗ると水色になり、とても濃淡の幅が広い青です(それだけにコントロールが難しい色でもありますが…)↓

プルシャンブルーは一色で絵が描けてしまうほど濃淡の幅が広い!

一方パステルカラーの方は、濃い部分がないので、濃淡の幅が狭いのです。淡い色としてしか使えないので、使い道が限定されてしまうんです。一色で影や濃淡を表現できないので、フラットで単調な感じになってしまうことも。

混色で相性のいい色が少ない

混色の時も、使い道が限定されるという問題があります。濃淡の幅が狭いので、淡い混色がメインになります。

かれは
かれは

かわいいパステルカラーに黒や茶色を混ぜるメリットがないんですよね。。

パステルカラーと混色して相性のいい色が少ないです。やはり混色の相手も淡い色か、同系色の鮮やかな色ということになると思います。

混色では単一顔料の方が圧倒的に能力を発揮できます。何役もこなすので、混色も色々な相手を選ぶことができ、作れる色幅も圧倒的に広いです。

同じ緑でも、万能なのは単一顔料のフタログリーン

上の例だとグラスグリーンは、パステルカラーですが、白が入っていて深みのない色なので、あまり混色で色々な色は作れないです。せいぜい黄色や水色と混ぜるくらいかな。

一方フタログリーンは、あらゆる色と混ぜて明るい黄緑から、深い緑、青、グレー、様々な色を作り出すことができます。まさに混色の女王。しかも薄めてミントグリーン、パステルトーンの色も作れちゃうのです。ただ、色々使い道がありすぎるので、どのような色を作っていくかは自分で開拓していく感じですね。混色のテクニックや知識も必要です!

まとめ

パステルカラーの長所

  1. クセのある顔料の場合、白が入ることで、クセが和らげられている。
  2. 淡い色は、薄めて作った色よりしっかりして見えることが多い。
  3. 毎回同じ色を安定して使うことができる(キャラクターや連作のとき便利)

パステルカラーの短所💧

  1. 不透明感があり、マットな質感。透明水彩のよさが生きてこない
  2. 深みがないので、色の幅が狭い
  3. 混色で相性のいい色が少ない

パステルカラーは同じ色を安定して使いたいなら便利、でも使い方が限定される

単一顔料絵具は、汎用性があって万能だけど、使い方には知識や経験が必要

という感じかな〜!

かれは
かれは

目的しだいですね!

余談、枯葉の場合

ちなみに…

私のパレットにはパステルカラーは1色も入っていません。意識的に避けているわけではありませんが、私の絵の場合は、1色で色々な使い道がある色(特に単一顔料)の方が便利な感じがするのです。

メーカーさんのパステルカラーは私にはちょっと色が薄いです。主線がはっきりしていない絵なのでぼやけてしまうんですね…

ただ、色々な方から「キャラクターの髪色に便利」「色自体がかわいいから好き」と聞くうちに「パステルカラーも便利だし、愛用者が多いんだなあ」と思うに至りました。

パレットにパステルカラーはいれていないものの、たまにパレットに白い絵具を出して、パステルカラーを作ることはあります。水を足して薄めて、色を明るくするのは、透明水彩の基本ですが、少し白を混ぜて見るのもありだな!と思いますね。

私が濃ゆい色から作った自作のパステルカラーはこんな感じです

自作のパステルカラー!少し白混ぜました

結構可愛くないですか??(自画自賛)

クサカベ、ホルベインのパステルカラーと並べてみます。

かれは
かれは

ぜひみて欲しい♪

左がメーカーさんのパステルカラ、右が自作
ひよこ
ひよこ

やるじゃん。

白の絵具の使い道の記事もぜひ↓

フタログリーン活用の記事や黄緑を作る記事も読んでほしいです!!

色作りができると、表現の幅が拡がりますよ〜