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コットン紙とは?[水彩紙のきほん]

よくサイト内で、「コットン紙」という名称を使っていますが、これは水彩紙の中でも「コットンパルプ100%」で作られている水彩紙のことを指しています。

この記事でも説明していますのでぜひ↓

誰も教えてくれない水彩紙のこと

水彩紙の分類

水彩紙は原料によって3種類の水彩紙があります。

  • コットンパルプ100%→コットン紙とよんでます
  • 木材パルプ100%→パルプ紙とよんでます
  • コットンパルプ+木材パルプ(混合タイプ)

コットン紙って?

今回はコットンパルプ100%の水彩紙、つまりコットン紙の特徴をまとめてみたいと思います。

コットン紙の特徴は、

  • にじみがきれいにできる
  • 重ね塗りができる(下に塗った色が溶けづらい)
  • 乾くスピードは比較的ゆっくり(平塗りやグラデーションがきれいに塗りやすい)
  • 色は少しおさえた感じになる場合もある(紙による)
  • 値段が高い

逆にパルプ紙の特徴は

  • にじみはあまり広がらない
  • 重ね塗りしづらい(下の色が溶けてしまう。その代わり修正できる)
  • 乾くスピードは、早いものが多い(ムラなくウォッシュがしにくい)
  • 色が鮮やか
  • 値段が安い

透明水彩を100%活かすならコットン紙

透明水彩の持ち味を最大限活かすのはコットン紙の方です。

にじみ、重ね塗り、グラデーション、ウォッシュ、これらは、透明水彩ならではの技法です。

このような技法がきれいにできやすいのはコットン100%の水彩紙です。また表面強度が強くマスキングをしても破れませんし、消しゴムでも表面が毛羽立ちません。

価格が高めなのが唯一の難点です。

ですが、「スケッチ」ではなく「作品」を描くというときは、コットン紙を使う方が、色々な技法を使うことができておすすめです。(何より楽!なんです)

私は長年、このコットン紙とパルプ紙の違いをはっきり分かっていませんでした。なので、かなりの種類の水彩紙を試しました。このコットン紙の特徴をもっと早く知っていたら、紙選びで混乱しなくて済んだのにな〜と思います。

もちろん水彩紙ごとに、描き心地は違うのですが、「コットン紙か?パルプ紙か?」の違いの方が大きいです。

パルプ紙にも色々あり、きれいなにじみやグラデーションができるものもありますが、そういったものはコットン紙と同じくらい値段が高かったりします。なので、特にこだわらない場合は、様々なコットン紙を試してみると良いと思います。

普段のスケッチや練習はパルプ紙で、「作品作り」はコットン紙で、という使い分けをするのもいいと思います。私も、本番用の水彩紙と、気軽にスケッチ用の水彩紙は分けたりしています。

同じコットン紙でも違いはある

コットン紙にも、様々な種類があるので、それぞれ特徴があります。

重ね塗りが得意なもの、乾きが早いもの、遅いもの、リフティングができるもの、色が鮮やかなもの、表面の凹凸が大きいもの。

同じコットン紙でも、もちろん水彩紙ごとに使い心地は違います。

コットン紙は値段が高いだけあり、どの水彩紙も使いやすさはあるのですが、それでも自分の表現との相性はあります。なので、できるだけ実際に試してみる方が良いです。

コットン紙の中でも比較的リーズナブルなのは、ランプライト、ウォーターフォード、ストラスモアあたりだと思います。初めてコットン紙を買ってみる場合は、この3つをおすすめします。

どの水彩紙が合うかは、相性次第なのですが、値段の高いものになればなるほど高機能ではあるので、試してみる価値はありです。

こんなにあるコットン紙

各メーカーが色々なコットン100%紙を販売しているので、ご紹介します。

値段が安い順に並べています。

ランプライト

ミューズから発売のコットン紙。

比較的滑らかで、重ね塗りもリフティングも楽しめる水彩紙。

コットン紙の中では一番リーズナブル。

詳しいレビューはこちら↓

ランプライトについて

ウォーターフォード

ホルベインから発売されている水彩紙。割とメジャー。

コットン紙の中ではランプライトの次にリーズナブル。

ホワイトとナチュラルの2色展開(少し使い心地が違うので、どちらも試してみた方がよい)

表面の凹凸はしっかりしていて、ぼかしやにじみ、グラデーション、重ね塗りがきれいにできる。

詳しいレビューはこちら↓

ウォーターフォードについて

ストラスモア

ホルベインから発売されている水彩紙。

価格はウォーターフォードと同じくらい。コットン紙の中ではリーズナブルな部類。

色は白く発色が鮮やか。

表面の凹凸の形が他の水彩紙とは違うランダムな網目。

重ね塗りだけでなく、リフティングもでき、表現の幅が広い。にじみもきれい。

アヴァロン

こちらもホルベインの水彩紙。旧ワットマンの後継とのことだが全く別の紙。

色の白い水彩紙。発色は鮮やかだがあまり濃くならない。

表面の凹凸は大きめ。細かい絵より、にじみやぼかしを活かす画風の方がいい。

ファブリアーノ・アルティスティコ

目の大きさは、中目、細目、極細目の3種類。

特にこだわりがなければ細めがおすすめ。

ブロックタイプのみ。

地色は白い。

表面は比較的滑らかで、繊細な画風にもよい。とにかく発色が明るい。

※廃盤になったようです。残念。

ハーネミューレ・セザンヌ

オリオンから発売されている高級水彩紙。

にじみやグラデーションなど様々な技法が使え、コントロールしやすい。

どんな画風にも対応する万能なコットン紙。

ブロックタイプのみ。

アルシュ

目の大きさが、中目、細目、極細目の3種類。

特にこだわりがなければ、細目がおすすめ。

ブロックタイプがメイン。

表面の凹凸が独特で、水彩以外の画材を受け付けない感じがあるが、水彩のノリはとてもよく、特ににじみがかなりきれいにできる紙。

値段は高め。

ラングトンプレステージ

地色はホワイト。

乾くのが少し早い。ぼかしやにじみはとてもきれいにできる。

色も濃くのり、深みのある表現に。

ブロックタイプのみ。

値段高め。

キャンソンヘリテージ

ミューズの高級水彩紙。

地色はホワイト。発色はかなり鮮やかで、にじみもコントロールしやすい。

重ね塗りも得意。ただ乾くのが早い。

終わりに

他にもコットン100%の水彩紙はあるのですが、まだ使っていないので、使ってみた後に、順次書き足していこうと思います。

個人的な話をすると、パルプの紙でも、お気に入りのものはあります。パルプでも、使い心地がいいのものもありますし、ソフトな感じになる紙が多いです。でも、ガッツリ水彩で描く時にはやはりコットンかな。もちろん優劣の話ではなく、特性の違いなので、合う方を選べば良いのだと思います。ただ、コットンとパルプの区分が頭に入っていると、紙選びの時に効率よく選ぶことができます。

何か参考になれば嬉しいです。

それではまた^^